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2013年9月2日月曜日

英国地質調査所が取り組む3Dデータの配信


本トピックに関して、8月31日付でギズモード・ジャパンに記事が掲載されたのですが、自分の周囲では意外に盛り上がっていませんので、こちらでご紹介しておきます。
 英国地質調査所のサイトでは以前から地質情報の三次元データに関する啓蒙やデータ配信が熱心に行われていましたが、ついに今年の8月から化石の三次元データの配信が開始されました。

 この試みは"The GB3D Type Fossils Online project"と呼ばれ、今年の8月22日にロンドンで行われたイベントで正式にキックオフされたとのことです。
 本プロジェクトにおいて特筆すべきは、"Type Fossils"すなわちタイプ標本の配信が行われているという事でしょう。タイプ標本とは生物に対して分類学上の学名を与える際に基準となる標本の事で、これをオンラインで共有できるというのは非常に意義深いことです。

 これまで化石標本を国外の研究機関とやり取りする事は非常に神経を使う作業でした。輸送中の紛失や損壊、空港での没収などで貴重な化石を失った経験は私自身も何度かあります。しかし標本のデータ化と共有が今後一般化すれば、こういったリスクからも解放され、より多くの研究者が化石情報に関して幅広く議論できる環境が整うように思います。

 まだ収録されている三次元データは少なく、有孔虫などの微化石に関しても整備はこれからのようですが、素晴らしい試みだと思います。個人的には、昔ロンドン自然史博物館のバックヤードで見せてもらった、チャレンジャー号探検航海で採取された放散虫の標本などアップしてくれたら嬉しいですね。

The GB3D Type Fossils Online project
http://www.3d-fossils.ac.uk/home.html

その他、地質情報の三次元的可視化に関する試み
http://www.bgs.ac.uk/services/3Dgeology/

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